海と山に囲まれた静かな町で、美咲(羽月希)は大学教授だった亡き夫の後を継ぎ、小さなメンタルクリニックを営んでいた。ある日近くの海岸を散歩している時、波打ち際に倒れていた青年を助ける。一度は施設に引き取られた青年だが、記憶を取り戻せない彼は再び美咲を訪ねてくる。クリニックの経営が芳しくなく、先代のような本の執筆を出版社から勧められていた美咲は、青年を題材に彼の過去を催眠療法でひも解く事を決意する。その日から青年を同居させながらの治療が始まるが、幼少期の母親や涼子(佐倉絆)という謎の女の存在が明らかになる。そして青年の記憶の奥底に潜む倒錯の性に触れるなか、やがて美咲自身も閉ざされた自身の過去が暴露しはじめ…。