親から譲り受けた不動産を所有する中年男は好みの入居者が部屋を借りるたびに盗撮カメラをしかけていた。一台や二台ではない。寝室、台所、風呂場のシャワーノズルに至るまで、カメラだらけの丸見えアパート。そして、生活サイクルを盗み見ては偶然を装い、運命の出会いを演出する。正攻法とは言えないがあくまで恋愛関係を求め、結婚相手を探し続ける手段に過ぎない。繰り返すが、やり方が狂っているだけで本人は見合いの延長のような感覚。胸に罪悪感がひっかかる様子もない。更にタチが悪いのは男の影が見えた瞬間に女の興味を失うこと。それに止まらず、動画を拡散すること。「思わせぶりな女をコレで凌辱して、天罰を…」悪びれることなく、玉屋スタッフに白い歯を見せて笑う。独身理由が透けて見える。投稿者名「アパートサイコ」。彼の気持ちがスッキリしたのかどうかは分からぬが、職場の男に恋焦がれる女は盗撮映像の存在に怯え、巨デブキモメンに巨乳を食らいつかれる。泣きじゃくる罪なき女の辿る道はどこに繋がるのか…。